支援士の試験に合格したっていう話

春に受けました、で、今週発表されて合格してました。何の書類も送られてきてないのでネットで確認しただけですけどもー。

そのIPAのページで確認するに、25,130 人の受験者数に対して2,822 人の合格という事で、合格率は16%というまあまあ例年並みの結果だった模様。

https://www.jitec.ipa.go.jp/1_07toukei/toukei_h29h.pdf

 

さて、この支援士、今回受験者が6%減ったということで、元々何の魅力も無いとの噂を見事に裏打ちする結果になったわけですが、スラドにもあるようにメリットもないのに登録するというリスクを負う人間にセキュリティマネジメントなど無理、といった意見には何ら反論の余地はありません。

it.srad.jp

面白半分で受験して合格した以上、初心を忘れる事無く面白半分で支援士登録もするつもりですが、そんな変人以外には何ら価値のない資格であることは変わりはないでしょう。

あわよくばここ数年で法改正でもされて従業員X人以上なら支援士をY人置かなければならない、かけもち可、とかになったら躊躇なく名義だけ貸し出すことによって濡れ手に粟なウハウハ生活が現実のものとならないかなと思わなくもないですが、あわよくすぎている妄想と言えましょう。

一部、これを持った社員を大量に抱えていることによる他社への営業アピールになりうると考えている方もいるかと思いますが、そもそも大手企業ではとっくにその辺のリスク管理どころかネットワーク構築など完了、完成してしまっているわけでして、そのお仕事をゲットしようなんて余地はそうそうないでしょう。その仕事がアウトソーシングされているならば、その二次受け三次受けに滑り込む・・・為に他社と比較された時に検討材料にしてくれる事も或いは無きにしも非ずという程度には考えられますが、そもそも下請けにセキュリティ管理の仕事を投げてしまうという話になるわけですからぶっちゃけ相当危険な話ではないかと思います。

 

そうなるとこの資格、何に使えるの?っていう話になりますが、どこもかしこも言われているように本当に使いどころは無いわけでして、何だったら「士業だぜふふん?名刺見ろふふん?」と仲間内で話のタネに出来るのが最大かつ唯一のメリットでしょうか。

ただ、「ああ支援士とか出来たのフーン受けてみるか」くらいの勢いで受けて受かった私からすると、この程度も受からん人材しか抱えていない会社というのは、正直IT屋としてどうなのかなあとは思います。多分そういう「なんか最低限の目安」みたいなものを作り出すことにはある意味成功しているのだと思います。いや、ぶっちゃけ3流未満の大学を出て地方の飛沫IT屋に就職し、ここ数年はロクにコードもいじらず客先でハッタリかましているだけでも合格するような試験、本当に試験内容からして考えなおした方が・・・。

 

ついでなので合格するために必要なポイントみたいなものを書いておきます。

午前1については過去問をアホほど解きまくってください。ネットで過去問が1000問以上解けますので、本当にヒタスラ解いてください。

応用情報技術者過去問道場|応用情報技術者試験.com

あと、論理式の計算問題が出た場合は最初からあきらめて「ウ」あたりを決め打ちで選びましょう。時間の無駄です。問題文と回答の選択肢を読んだ後、ウーーーンと悩む時間は、1問につき1分もありません。あとから見返す時間とかを考える*1と、本当に時間は貴重です。特に計算問題は、今回は最初に出てきたのでそこで足止めを食っていたらと思うとゾッとします。

なんで午前1がこんなに時間が足らなくなるのかというと、単純に試験範囲がヴェラボーに広く、狙ったところを決め打ちで勉強というバクチは全く効果がないのでどうしても広く浅い勉強になりがちで、その結果大体ギリギリのラインで悩む時間が多いからです。公開されている統計情報からみても合格ラインの60点前後が最も人の分布が多い事からもそれはうかがい知ることができます。ここを頭一つ抜ける点数を撮りたいのであれば、

  1. 広く深い学習をする
  2. 論理式やフローチャートUMLなどは見たら即答できるようにする
  3. ITILとかIPA内でしか通用しないようなルールを熟知する

のどれかになると思いますが、1だけはおススメしかねます。それが出来るならこんな試験受けずに行政書士でも取りましょう。

午前2の4択については、勉強の必要はほぼありません。過去問を2回通りくらいやればよいでしょう。

情報処理安全確保支援士過去問道場|情報処理安全確保支援士.com

数も少ないので午前1大作の合間にやれば2週間もかかりませんが、そもそも半分はその場で読めば何となくわかります。残りは午後の対策をしているうちにわかるようになります。兎に角テスト前の対策で午前2に時間を割くのは非常にもったないです。そんなわけで試験時間はかなり余ります。確認中に変な疑心暗鬼に捕らわれない事がミソです。

あ、午前は、1、2共に適切「でない」ものを選べ、とかいう初歩的なヒッカケに気を付けましょう。

 

午後1は3問から2問を選択・・・といいつつどれを解くか悩んでいる時間はやっぱりありません。問題文だけで数ページにわたるので、一通り読んでから選ぼうなどと悠長な事を考えていると確実に泣きます。試験前から「1と3!!」とか「2と3!!」とか決めておきましょう。強いて問題を読んでから選ぶなら選択式の問題が多いものを選ぶ手法がありますが、これは解答用紙を見ただけではわからないので、問題文の最初半分だけをナナメ読みすることで対応しましょう。ただ、選択式の問題は配点も低いのでそれだけでは安パイになりえず、むしろ記述式でないだけに部分点が貰えませんから難易度が上がるのではないかと思います。

どれを選んでも方向性としては同じような問題なので、「これは解けそうもない」なんてのがある時点でどれを選んでも大体アウトです。どんな問題でも「大体」解けるようにしましょう。そのためにはやっぱり過去問を解いておくのが近道になります。過去問集を1冊買って、解きまくりましょう。尚、この時制限時間を1問40分とか30分とかある程度枷を付けて解かないと意味がありません。勿論間違った問題は意味を理解した上で解き直しましょう。

但し、時々ちょっと違う意味で「意味が理解できない」問題が出現することがあります。「情報の流出をどう防ぐか?」という問に対して「USBを社外に持ち出さない」とか何か性善説か根性論じゃねーのかとツッコミを入れたくなるようなタイプです。こういうのは、最早採点する人の気分次第でどうにもなりそうなので諦めちゃってもいいんじゃないかな、と思います。「この時の作者の気分を答えなさい」というやつです。

 

午後2も2問から1問を選択。但し問題文は午後1の倍になり、「選択ミスの取り返しのつかなさ加減」では午後1の比ではありません。これこそ決め打ちにしましょう。決め打ちにすると物凄く時間に余裕ができます。

午後1にもある程度言えるのですが、解は必ずと言っていいほど問題文にヒントか解そのものがあるので、思っている以上にじっくり読む必要があります。逆の言い方をすると問題文に存在しない未知の手法、ハードウェアを記述するようなケースは稀ですので、その問題にあるやり方をそもそも知らないとか略語の意味が解らないとかいうのは割と致命的です。過去問を解いているときにその辺を頭に叩き込んでおきましょう。それが出来ていると午前2の勉強時間は更に減らすことができます。

 

ちなみに、合格するために過去問集とテキストの2冊を買ったのですが、テキストの方は半分だけ読んで眠くなったんで使ってません。もっぱら過去問集で勉強しました。それで解らないところだけつまみ食いみたいな感じでテキストを読むとかしましたが、つまみ食いならググった方が自分に合った説明を見る事が出来るので、そっちの方がおススメです。テキストは勿体ない買い物をしたなあ・・・と思っています。

*1:実際にやるとそんな時間も満足にありませんが